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第2回 ハチジョウダカラ(八丈宝)のおはなし

2回目は、タカラガイ科のハチジョウダカラです!(番外編として先日掲載された桝田結友くんの研究に感銘を受け、急遽タカラガイのお話に変更しました。)

 ハチジョウダカラは、漆器を連想させる上品で艶やかな黒地に金色の斑点をあしらった、なんとも気品の漂う佇まいをした貝です。本種は大きな個体では殻長110 mmに達し、日本近海に生息するタカラガイの中でも特に大型になる種です。また本種に限らず、タカラガイ科の貝は殻の表面がガラスでコーティングされているかのような透明感のある光沢を帯びています。そのため、初めてこの貝を見る方はニスが塗ってあると勘違いされることが多いですが、これは紛れもなく自然が生み出した神秘の造形美なのです。タカラガイは生きているときは外套膜という体の一部で殻の表面を覆っており、傷や汚れが付きにくいためこの光沢が生まれます。外側はゴツゴツしているサザエも、殻の内側は滑らかなのと同じ理屈です。

非常に興味深いことに、古より繁栄や生命の誕生、富のシンボルとしてタカラガイを用いる文化が世界中のあちこちに存在します。かつて日本では「子安貝」と呼ばれ、お産の際に安産を祈願して妊婦にタカラガイを握らせる風習があったようです。子安貝は特にハチジョウダカラを差すことが多く、竹取物語に登場する「燕の子安貝」も本種を表しているようです。ツバメの巣にタカラガイとは、求婚を断るためとはいえ、かぐや姫もエキセントリックなリクエストをしたものです。しかしこの文章を読んでくださった皆さんなら、かぐや姫の心を射止めることができるかもしれません。

【ハチジョウダカラの写真】

水産大学校 研究科  安田 風眞


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