No.23 サザエ(栄螺)

23回は、発見されたばかりの新種!?サザエ(栄螺)です!

 サザエは北海道南部から九州に分布しており、名前は小さな家という意味です。一般的に用いられる栄螺という漢字には、大きな巻貝という意味があるそうです。そんなに大きくなんじゃないか?と疑問を抱いてしまいますが、実は我々がよく目にするものは概ね34歳程度の小ぶりな若造です。寿命は約8年と言われており、老成すると殻高160mmを越える巻貝なのです。ちなみに山口県萩市にある萩博物館には日本最大級と噂される凄まじいサザエの標本が展示されており、その見事なたたずまいに心を奪われガラスの前から離れられなくなった思い出があります。ちなみに写真は殻高135mmの標本です。

サザエといえば本邦ではBBQには欠かせない馴染み深い存在ですよね。つぼ焼きを食べる際に、観察眼の鋭い方は殻から出した軟体部先端の色が2種類あることにお気付きではありませんか?実は本種は軟体部先端の生殖腺の色で雌雄の判別ができるのです。クリーム色はオス、緑色はメスです。この話題をネタに、今からの秋の行楽シーズンのBBQで盛り上がること間違いなしです。

タイトルの通り、実はサザエは2017年に「新種」であることが判明し、Turbo sazaeという新たな学名が与えられました。というのも、これまで約250年間にわたり別種ナンカイサザエと分類が混同されてきたのです。

固定概念に捉われず、目の前の真実を見極めよ・・・。久しぶりに眺めるサザエが語る声なき言葉に、思わずぴしりと背筋が伸びる思いを抱いてしまう今日この頃です。

2021927

安田 風眞

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