No. 83 ガクフボラ科のハデスマキボラ(派手簀巻法螺)

第83回目は、ガクフボラ科のハデスマキボラ(派手簀巻法螺)です!
ハデスマキボラは、台湾~南シナ海にかけて分布する殻長100mm前後の中型の巻貝です!
本種の殻表は落ち着いた光沢を帯び、非常に印象的な深い溝状の縦肋が均等に走ります。これを濃褐色の細い線が横断することで楽譜のような模様が浮かぶ様は、まさに”ガクフボラ(楽譜法螺)”の名を体現します。さらに肩のエッジが立ち上がることで縫合に螺旋階段のような段差が生じ、細長く端正なシルエットをさらにエレガントな佇まいへと昇華させます。クリーム色の地の殻表には褐色斑が蛇行しながらも規則的に並び、これが肩では特に濃く螺塔に連なることで程よいアクセントとなり目を惹きます。この溝と色彩を派手な簀巻になぞらえ、この和名が与えられたことは想像に難くありませんね。殻口が大きく開くその堂々たる様は実にガクフボラらしく、前述の濃褐色の線が外唇に点となり並びます。というよりは、実はこの点が途切れることなく脈々と続くことでこの繊細な線となり、単に派手なだけでは終わらない本種のデザインが形成されているのです。
ハデスマキボラは、個人的には初めて見た時から一目惚れしてしまったほどに、色合いといい形といい何を見てもタイプな貝です。久しぶりにこういう貝に会いに南国に遊びに行きたいなあと、ついに氷点下を下回った外気温を見ながらふと思うのでした。
2026.10.30
安田
風眞


































