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第12回 ヤコウガイの蓋のおはなし

第10回目では想いの丈をこめたヤコウガイへの恋文をしたためましたが、実は文字数の関係で語り切れなかった魅力がありました。今回は隠れた魅力、ヤコウガイの蓋について語ってみようと思います。

その前に貝の蓋について少々説明します。サザエのつぼ焼きでご存知のように、腹足類(巻貝)は蓋を持っています。なかにはアワビ(実は巻貝!アワビのお話はまた今度)のように進化の過程で蓋を捨てたものもありますが、そんな蓋のない巻貝でも幼生の時にはしっかりと蓋を持っています。 また、サザエのように硬い石灰質の蓋のものと、アカニシやエゾボラのようなぺらぺらとした革質の蓋の二種類がありますが、石灰質の高級な蓋は少数派でほとんどの種は革質の蓋を持っています。

そろそろヤコウガイの蓋に話を戻しましょう。本種の蓋の外側はサザエのような刺々ではなく饅頭のようにつるりと丸く、肌触り、サイズ感ともにまさに絶妙。それに加えずっしりとした重みがあり、手に取るとなんとも言えない所有欲を満たしてくれます。内側に浮かぶ螺旋模様も非常にチャーミングです。

そんな愛すべきヤコウガイの蓋ですが、初めてこれを見た大学の研究室の後輩諸君の反応が面白かったので、沖縄土産に配ったことがあります。そこでまんまと私の張った“罠”にかかった数名は、私が研究室を去った現在も意欲的に貝殻を集めているようで、時折素晴らしい貝殻を手に入れては自慢の連絡をくれます(とても嬉しい)。ちなみに私は会社のデスクでペーパーウェイトとしてこの蓋を愛用しており、時折これを撫でては遥か南国の海に想いを馳せ、日々の業務にいそしんでおります。

安田 風眞

ヤコウガイの蓋 商品ページ

第11回 アラフラオオニシのおはなし

11回目は、テングニシ科のアラフラオオニシです!

 アラフラオオニシはその名の通り、オーストラリア北方に位置するアラフラ海に生息しています。そして本種は世界最大と名高き巻貝であり、大きいものでは殻高80 cmに達し、多毛類(ゴカイの仲間)を食べながら暮らしています。テングニシ科だけあってやはり軟体部は美味なようで、ホラガイやヤコウガイ等と同様に身は食用として、そして貝殻は観賞用や様々な加工品の材料として余すところなく愛される貝です。ちなみに英名はAustralian Trumpet(オーストラリアのトランペット)です。

 本種の鑑賞ポイントは、殻頂から体層にかけての見事としか言いようのない膨らみと、バランスよく細長く引き締まった水管溝のコントラスト。そして肩の結節が成長につれて徐々に密になり、やがて途切れることのない滑らかで直線的なエッジを形成する様に、思わず指を這わせてしまいます。

しかし何よりも、やはり「世界一」という甘美な響きに得も言われぬ憧れを感じてしまうのが人の性というもの。巻貝の王様を傍らに、ロマンを浮かべたワイングラスを傾ける。そんなちょっとした贅沢で日々の暮らしに花を添えてみるのはいかがでしょうか。

ちなみに世界最大の二枚貝は言わずと知れたオオジャコ。なんと驚くべきことに、貝殻の問屋さんにはオオジャコの商品在庫もあるんだとか。すごいお店です…!

安田 風眞

 

アラフラオオニシの商品ページ

第10回 ヤコウガイ(夜光貝)のおはなし

記念すべき第10回目は、サザエ科のヤコウガイ(夜光貝)です!

本種は種子島・屋久島以南に分布していて、読んで字のごとく夜に光りそうな貝ですが、決して自ら光ることはありません。屋久島でよく採れたことから「屋久貝」と呼ばれ、そこから転じて「ヤコウガイ」になったと言われています。また本種の貝殻は螺鈿細工の原料になるため、光り輝く螺鈿のイメージから夜光貝という漢字があてられたのかもしれません。

軟体部は美味であり、古くから漁獲され身は食用、殻は様々な加工品の原料やお土産物として余すところなく愛されてきた南国の大型種です。

この手の大型種の殻表はしばしば石灰藻やゴカイの棲管等でビッシリと覆い尽くされ、海底に転がる礫のようで魅力に欠ける印象を受けます。ところがこれらをワイヤーブラシで地道に除去すると、濃淡混じる暗緑色をベースに白や褐色のスポットが浮かぶ深みのある色彩で彩られた地肌が現れます。そしてヤコウガイの本来の美しさに途端に心を奪われ、骨の折れるクリーニング作業の苦労など全て吹き飛んでしまいます。学生の頃は研究室の後輩たちにせがまれ、いくつものヤコウガイのクリーニングをしたものです。

都会の澱んだ海を眺めながら、ヤコウガイが暮らすどこまでも青く透き通った遥か南の海へと、募る想いに焦がれる幾多もの夜を数え… 1日も早いコロナ禍の収束を願うばかりです。

安田 風眞

夜光貝の商品ページ

第9回 ホネガイ(骨貝)のおはなし

9回は、ホネガイ(骨貝)です!

ホネガイは、読んで字のごとく骨貝です。魚の骨格標本を思わせる魅惑のこの貝は、房総半島以南~オーストラリアまでの砂地の海底に生息しています。英名はヴィーナスコーム、つまりヴィーナスの櫛です。本種を「骨」と捉えた東洋と「女神の櫛」と捉えた西洋。文化の違いという観点から貝を観察してみるのも面白いですね。

ホネガイをはじめ貝類の発達した棘には①捕食者からの防御 ②海底での殻の向きの安定化、この2つの役割があると考えられています。とはいえ、これらの機能を果たすためだけにはあまりにも美しすぎるドレスで着飾った本種の佇まいには、ただただ溜め息が漏れるばかりです。ところがこのドレス、本人(?)には少し厄介な代物です。殻口から殻を伸ばして螺旋状に成長していく巻貝にとって、目の上のタンコブならぬ眼前の棘はやがて障害物になります。その為、本種は成長過程で邪魔になる棘の根元を自ら溶かしてこれを切り落とし、殻を大きくしていくのです。

ホネガイには極めて個人的な思い出があります。私が小学生の頃、兄が修学旅行のお土産でこの貝を買ってきてくれました。祖父の家のガラス棚の高嶺の花だったこの貝が自分の標本箱にも収まっている嬉しさで、毎日取り出して眺めては大切にしまい込んだものです。

綺麗なバラ、おっと貝には棘があります。本種の棘は非常に鋭く、そして意外にも頑丈です。鑑賞の際には、どうか思わぬケガにお気をつけ下さい。

安田 風眞

ホネガイの商品ページ

第8回 トウカムリ(唐冠)のおはなし

8回目は、トウカムリガイ科の名を冠するトウカムリ(唐冠)です!

トウカムリは、第5回に登場したマンボウガイと同じ科に属する非常に重厚で大型の巻貝です。万年貝のマンボウガイに対し、こちらは千年貝と呼ばれ「縁起の良いネーミング貝」シリーズとしてマンボウガイとともに同科で双璧をなす貝です。紀伊半島・三宅島以南、熱帯インド-西太平洋の砂泥底に分布し、主にブンブク等のウニ類を捕食しています。本種はブンブクの天敵であり、ブンブクは本種の捕食から逃れるべく進化を遂げて現在の姿になったほどに、両者はとても深い因縁がある間柄です。

さて、そんな食いしん坊なトウカムリですが、老成した個体では外唇と内唇、軸唇が一枚の板状になって広がり、帽子のつばのようになります。このことから、飛鳥〜平安時代の頃の中国、つまり唐の時代の冠になぞらえ「唐冠(トウカムリ)」という名前が付けられました。英名はズバリ、ヘルメットシェルです!

大きくゴツゴツとした岩のごとき本種は一見、美しさに欠けるような印象を受けてしまいます。しかし実際に手に取って細部を観察すると、殻の表面に刻まれた緻密な彫刻紋様や、外唇の縁に現れる帯状の色彩、ほんのりとオレンジがかった光沢のある殻口周り等々、実は鑑賞ポイントが豊富な貝なのです。無骨なトウカムリに隠された意外な繊細さを味わいながら、濃いめのバーボンをちびちびとやる… そんなオトナな夜があっても、いいかもしれません。

トウカムリの商品ページ

安田 風眞

第7回 ホラガイ(法螺貝)のおはなし

 この貝は、言わずと知れた非常に有名な貝ですね。本種は紀伊半島・八丈島以南、熱帯インド-西太平洋のサンゴ礁に生息しています。殻長は大きなものでは40 cmに達する本邦最大の巻貝です。殻表に現れる鮮やかなヤマドリ模様に加え、特に大型個体に見られるよく張り出した体層とスラリと伸びた螺塔の堂々たる姿には、まさに「これぞ、巻貝!」という王道を行く美しさがあります。

また、断腸の思いで殻頂部を切断して歌口(マウスピース)を取り付ければ、驚くほど大きな重低音を響かせる法螺笛へとたちまち生まれ変わります。このことから「ホラを吹く」という慣用句の語源となったことはあまりにも有名なエピソードですね。ならば吹いてみたいと思うのが人の性というもの。かく言う私もその例外ではなくマイ法螺笛を所有しておりますが、一度吹けば華々しく合戦を駆ける戦国武将へと、またあるいは厳格な修験者へと思いを馳せ、ぴしりと背筋が伸びるような気持ちになります。

ホラガイは飾ってよし、吹いてよしとまさに「一粒で二度おいしい」究極のインテリアですが、思いの丈を込めて吹いた際にご近所付き合いに及ぼす影響については、当方は補償いたしかねます。どうか用法にご注意のうえ、充実したホラガイライフをお送りください。笑

   

ホラガイの商品ページ

安田 風眞

第6回 ルリガイ(瑠璃貝)のおはなし

ルリガイはその名の通り瑠璃色をした、非常に薄く脆い殻をした貝です。軟体部はインク壺から零れ落ちたかのような、貝殻よりもはるかに深い瑠璃色をまとっています。

この貝は浮遊性の巻貝で、世界中の暖流域の表層に分布しています。驚くべきことに、自らの足から分泌した粘液で作った細かい泡を連結させた筏を作り、その下に逆さまにぶら下がって海を漂っているという貝らしからぬ優雅な生活をしています。

しかし、そんな「波任せ」の生き方をしているがゆえに、海が荒れると集団で砂浜に漂着してしまうという悲しい運命を背負っています。こうして打ち上がったルリガイは海からの贈り物となり、我々コレクターは感謝しながらこれを拾い、標本箱に収めるのです。

私ごとではありますが、今回が学生という肩書でしたためる最後のエッセイになります。思えば、幼い頃にアオイガイに心を奪われて以来、様々なものに目移りしながらも貝への憧れを追い続けて辿り着いた「砂浜」が水産大学校であり、そしてこのエッセイの連載という初めての挑戦の場を下さった貝殻の問屋さんでした。浅学菲才な学生の身でありながら、大変貴重な経験をさせていただきました。改めて感謝と御礼を申し上げます。

…最終回のような雰囲気になっておりますが、これからは「貝のおはなし‐社会人編‐」として、末永くお付き合いの程よろしくお願いします。

水産大学校 研究科  安田 風眞

第5回 マンボウガイ(万宝貝)のおはなし

5回は、貝なのにマンボウ?トウカムリガイ科のマンボウガイ(万宝貝)です!

マンボウガイという名前を聞くと魚のマンボウを想像してしまいがちですが、魚のマンボウではなく「万宝」の字をあてる、なんとも縁起の良さそうなネーミングの貝です。かつては「マンネンガイ(万年貝)」という名が付けられており、こちらの名前でご存知の方も多いかもしれません。大きいものでは殻長15 cmを越え、ゴツゴツとした外見には似つかない艶やかな肌が大変美しい貝です。貝殻は非常に重厚かつ堅牢で、その形状ゆえに海外ではレッドヘルメットシェルの名で呼ばれています。熱帯インド洋-西大西洋、および紀伊半島以南に分布していますが、日本近海での採集は難しいようです。稀に沖縄や高知で採集されることがあります。

さて、このマンボウガイですが、実はカメオの原料として有名な貝です。特に本種を含む貝殻を原料とするシェルカメオは、ルネサンス期以降のヨーロッパで盛んに制作されるようになったそうです。その技術は現在も脈々と継承され、時代を越えて人々に愛され続けています。

余談ですが、今回のエッセイの執筆にあたりカメオについて少しだけ勉強しました。その結果、込み上げてくる「どうしても今すぐに実物を見たい」という衝動は留まる所を知らず、オークションで中古のシェルカメオを買ってしまう始末。貝のコレクションと同様に一つとして同じものが存在しないカメオは、どうもコレクターの心をくすぐる甘く危険な香りを漂わせています…笑。

【マンボウガイ】

【シェルカメオ】

水産大学校 研究科  安田 風眞

‐ マンボウガイの商品ページ ‐

第4回 カノコダカラ(鹿の子宝)のおはなし

4回はタカラガイ科のカノコダカラ(鹿の子宝)です。

 カノコダカラは、その名のとおり殻の表面に鹿の子模様をまとった大変可愛らしいタカラガイです。大きさは3 cmほどの小型種で、房総半島以南に分布しています。タカラガイは殻口側を「腹面」、その反対の丸く膨らむ側を「背面」と呼びますが、カノコダカラは鹿の子模様がある背面とは対照的に腹面は真っ白で、こんなところまで鹿にそっくりです。ちなみにメキシコ湾周辺にはシカダカラという大型のタカラガイがいますがこれはまた別の回で登場するかもしれません。

海で捕まえたばかりのカノコダカラは透明感のある明るい褐色の鹿の子模様をしていますが、時間の経過につれて透明感は失われ、色彩も薄くなっていきます。実はこれは本種に限ったことではなく、全ての貝に共通したことです。大変嘆かわしいことに、標本にした貝殻の色彩を完全な状態で維持することは難しく、標本箱の中でひっそりとその美しさは失われていきます。これは貝殻が大気に晒されることで発生する酸化や乾燥、紫外線による色素の劣化等、様々な原因があると言われています。貝の退色の程度は種によって様々ですが、タカラガイでは特に顕著なように感じます。退色を少しでも遅らせるために、貝は紫外線の当たりにくい場所に保存することが望ましいです。しかし、美しい貝は目の届くところに飾って毎日眺めたい。色を取るか、満足感を取るか… 優先順位の葛藤はコレクター永遠の命題なのです。

【カノコダカラ】

水産大学校 研究科  安田 風眞

-カノコダカラの商品ページ-

第3回 スイジガイ(水字貝)のおはなし

 3回は、私が愛してやまないソデボラ科のスイジガイ(水字貝)です!

 スイジガイは、殻の縁に6本の長く鋭い棘を持っています。殻口を下にして置くと、殻の形が漢字の「水」に見えるので「水字貝」です。水を連想させるこの貝は沖縄では古くから火難除けや魔除けとして利用されており、今でも家の軒先にスイジガイが吊るされている光景を目にすることができます。棘の本数については、稀に6本より多かったり少なかったりする個体が見つかることがあります。また、オスの殻はメスのものよりも小さく、殻口に美しい皺模様が現れることがあり、かつては「シワクチガイ」として別種だと考えられていました。

 白地の殻の表面に現れる褐色の霜降り模様と、オレンジ混じりのピンク色で彩られた光沢のある殻口のコントラスト。そして力強く優美ささえ感じさせるスラリとバランスよく伸びた棘。“あらゆる角度からの鑑賞にも堪えうる完璧な造形美”と表現しても過言ではないでしょう。初めて図鑑でこの貝の写真を見たその時から私の心は奪われてしまったのです。

 私がスイジガイと出会った図鑑は小学校2年生の時に祖父に買ってもらった『フィールド図鑑「貝類」(奥谷,1987)』でした。文字通り穴が開くほど眺めてボロボロになったこの図鑑は今でも私にとって特別な一冊です。

水産大学校 研究科 安田 風眞

-スイジガイの商品ページ-

第2回 ハチジョウダカラ(八丈宝)のおはなし

2回目は、タカラガイ科のハチジョウダカラです!(番外編として先日掲載された桝田結友くんの研究に感銘を受け、急遽タカラガイのお話に変更しました。)

ハチジョウダカラは、漆器を連想させる上品で艶やかな黒地に金色の斑点をあしらった、なんとも気品の漂う佇まいをした貝です。本種は大きな個体では殻長110 mmに達し、日本近海に生息するタカラガイの中でも特に大型になる種です。また本種に限らず、タカラガイ科の貝は殻の表面がガラスでコーティングされているかのような透明感のある光沢を帯びています。そのため、初めてこの貝を見る方はニスが塗ってあると勘違いされることが多いですが、これは紛れもなく自然が生み出した神秘の造形美なのです。タカラガイは生きているときは外套膜という体の一部で殻の表面を覆っており、傷や汚れが付きにくいためこの光沢が生まれます。外側はゴツゴツしているサザエも、殻の内側は滑らかなのと同じ理屈です。

非常に興味深いことに、古より繁栄や生命の誕生、富のシンボルとしてタカラガイを用いる文化が世界中のあちこちに存在します。かつて日本では「子安貝」と呼ばれ、お産の際に安産を祈願して妊婦にタカラガイを握らせる風習があったようです。子安貝は特にハチジョウダカラを差すことが多く、竹取物語に登場する「燕の子安貝」も本種を表しているようです。ツバメの巣にタカラガイとは、求婚を断るためとはいえ、かぐや姫もエキセントリックなリクエストをしたものです。しかしこの文章を読んでくださった皆さんなら、かぐや姫の心を射止めることができるかもしれません。

【ハチジョウダカラ】

水産大学校 研究科  安田 風眞

-ハチジョウダカラの商品ページ-


(番外編)タカラガイの標本作り 静岡県藤枝市立高洲小学校 6年3組 桝田結友

宝貝(タカラガイ)とは? (Weblio.jp

本州中部以南の暖海に広く分布する長卵系の巻き貝。地域によっては「ホウガイ(宝貝) 千葉県」「ネコガイ 静岡県」「ウシモーモー 沖縄県」とよばれることもある。

タカラガイの生態 jd.m.wikipedia.org

タカラガイは世界中の熱帯から亜熱帯の海域に分布(生息)し、特にインド洋や太平洋の潮間帯から水深500mにかけての深場に多く生息する。生体は殻の一部または大部分を外套膜におおわれているため殻の表面は光沢をもつ。

タカラガイの文明史honz.jp

〔お金として〕

13世紀ころ ダホメ王国の北にあったマリ帝国でも貨幣として使用されていた。

17~18世紀 イスラム商人によりモルジブ諸島から北アフリカ、サハラ砂漠を経由して運ばれた。

西アフリカの現在のペナン共和国では、タカラガイが貨幣(お金)として使われてきた。タカラガイがないと全く買い物ができなかった。

・仕事1日の賃金 タカラガイ120個

・にわとり一羽 タカラガイ200個

・大人一日の生活費 タカラガイ100個

1894年 ダホメ王国はフランス領となり、タカラガイの公的な貨幣としての使用は1901年に終了。

1965年 ダホメ王国の西隣にガーナ共和国で新たな貨幣制度がもうけられたとき、貨幣の単位は「セディ」と決められた。「セディ」とは貝殻の意味。

中国では、18世紀までタカラガイは貝貨として流通していた。ちょうどいい大きさのキイロダカラ、ハナビラダカラが珍重された。タカラガイはお金のようなものだった。

<なぜタカラガイをお金にしたのか?>

ダホメの王は「誰もがまねして造れない。誰もがひそかに金持ちになることはない。」と考えていた。

〔アクセサリーとして〕

タカラガイは色や形が美しいので、古代からアクセサリーの素材として使われていたと考えられている。映画「モアナと電話の海」でも小さい頃のモアナが首かざりとしてタカラガイをつけていた。

なぜタカラガイについて調べようを思ったか?

ぼくは貝殻が大好きで今までもたくさんの貝を集めたり海で拾ったりして家にはたくさんの貝があります。

その中でタカラガイが一番好きなので、タカラガイについて調べようと思いました。タカラガイは身近な海でも探せるし、夏休みに沖縄に旅行するので沖縄の海でタカラガイを探したいと思いました。

探した貝殻を標本にしてみようと思いました。

標本のつくり方

生きた貝を標本にするには肉の部分をどう取り出すかが課題。

貝の肉を取り出す方法

・一般的には肉を腐らせて取り出す方法

・冷凍して取り出す方法

<手  順>
  1. 採集後すぐに個別に小さなチャック袋などにいれる。

  2. 外の直射日光が当たらないようにする。

  3. 夏なら3~4日ほど、冬なら1週間程度ほどほう置する。

  4. うじ虫が発生し、貝の肉を食べてもらう。

  5. 臭いがなくなってきたら水で勢いよく洗って残肉を洗い出す。

  6. よく水分を切って、殻口を上にしてよく乾燥させれば完成。

タカラガイのつやはとても失われやすいものであり、一般的な巻貝のようにゆでたり、塩素漂白剤に日足りたり、さらに長時間水につけるとつやがなくなってしまう。

<実際にタカラガイ集めをしてみた>

7/29 浜比嘉島(沖縄) 備瀬崎 干潮時間

岩にかげや石の裏にタカラガイはいる。

【採取風景】

7/30 恩納村

7/31 帰宅(ジップロックに貝を入れてされあにふくろを何重にして も、ものすごく悪臭がした。生きていた貝が死んでしまったから、くさってしまったにおいだと思う。

8/1 家の屋上に水洗いしてから新聞紙の上に干す。

周りににおうぐらいくさくてたまらなかった。

うじ虫が貝にたかっていた。

【うじ虫&貝の肉がまだたくさんある】

8/5  うじ虫の数がどんどんふえていった。

8/9  まだ貝のくさったにおいがした。

8/10 うじ虫がいなくなった。(ハエになり飛んでいった。)

8/11 貝の中身はキレイに肉がなくなっていた。

【肉がなくなってピカピカになっている】

8/12 できあがったものからふくろに入れてまとめていく。

8/17 ケースに入れ標本完成

8/21 今回行っていない場所の石垣島や御前崎で採取したタカラガイも標本に追加した。

標本した貝の採集場所(よくタカラガイがいたところ) 標本に使用したタカラガイ

キイロダカラ

分 布: 日本の本州南部以南

サイズ: 1.7~2.8cm

古代より貨幣として使われ漢字の「貝」の字はこのキイロダカラの形がもとになっている。

カモンダカラ

分 布: 日本の本州中部以南

サイズ: 1.9~2.4cm

生息地: 水深20m程度

ハナマルユキ

分 布:日本の本州南部以南

サイズ:2.7~3.5cm

生息地:水深10m程度までのごく浅い海域

ナシジダカラ

分 布:日本の本州南部以南

サイズ:1.4~2.1cm

生息地:岩かげなど・水深100mを超える場所から採集されることもあり。生息深度のはばが広い。

コモンダカラ

分 布:日本の本州南部以南

サイズ:2.7~4.1cm

成貝では左右側面の中央にそれぞれ1個の大きな暗色斑がありこれが和名の由来

サバダカラ

分 布: 日本の本州南部以南

サイズ: 1.1~1.7cm

生息地: 岩かげから水深20m程度

ハナビラダカラ

分 布:日本の本州東北以南

サイズ: 1.9~4cm

非常によくみられる。場所によっては多産する。

オミナエシダカラ

分 布:日本の本州南部以南

サイズ:2.1~2.9cm

生息地:水深30m程度。

ふつう種

ツマグロヤナギシボリダカラ

分 布:ハワイ諸島 ポリネシア イースター島

サイズ:1.5~3cm

なぜか恩納村に打ち上げられていた。

クロハラダカラ

分 布:東シナ貝~西太平洋

サイズ:3.9~5.2cm

生息地:海底の転石や海綿の間

非常に希少

クチグロキヌタ

分 布: 日本の本州南部以南

サイズ: 3.4~4.5cm

御前崎でよくみた。地域によってはよく見られる。

メダカラ

分 布: 日本の本州東北以南

サイズ:1.4~1.9cm

まん中の黒いはん点が目玉を連想させることが和名の由来。

標本づくりをやってみての感想

とにかく想像以上のにおいだった。生きていた貝は採取後翌日ぐらいには死んでしまい暑さもありそのにおいはきょうれつでした。

家族から

「もうこういうことはやらないで」と言われてしまいました。今までは海から拾った貝はくさいのでハイターで漂白してキレイにしていました。

でも次亜塩素酸によりタカラガイのツヤ、もようが消えてしまうことを知り、くさくてもうじ虫に貝の肉を食べてもらったら本当ににおいが消えました。

タカラガイのツヤがピカピカで本当に宝石のようだと思いました。

タカラガイについて調べた感想

沖縄でたくさんの生きたタカラガイを採取できたことはとてもうれしかったです。タカラガイについて、お金や首かざりであったことは知っていたけど、細かくは知らなかったけど、タカラガイがニワトリと交換できたり、お給料として使われていると知り、すごいなと思いました。

お金の単位に「セディ」と貝の意味を残しているのも感動しました。

今後の課題

沖縄以外でもタカラガイは採取できます。ぼくの住む静岡県の海でもタカラガイがいます。集めているぼくにはうれしいことだけど、暖かい気候(熱帯地方など)のところに住んでいるタカラガイが静岡にいるということはそれだけ海水温が高くなっているかもしれないと思いました。

サンゴなんか、お前崎にあるはずがなくても珊サンゴの死がいがおちています。海の生態もこわしているのは地球温暖化が関連しているかもしれないと思いました。

ぼくの大好きなタカラガイや他の貝、魚など海がすきなだけでなく、海を守るための取り組みにも注目していきたいです。

参考資料

「タカラガイ」 ネイチャーウォッチング研究会 誠文堂 新光社

「世界の歴史24アフリカの民族と社会」 中央公論社

「西アフリカの王権と市場」山川出版社

2017年8月 高洲小学校 6年3組 桝田結友

第1回 アオイガイ(葵貝)のおはなし

 第1回目は、アオイガイ(葵貝)についてお話ししたいと思います。

アオイガイは、カイダコ科のタコのメスが産卵のために作る不思議な貝(擬殻)です。紙のように薄くガラスのように脆いその殻は、冬の寒空に舞う雪のような美しい白色をしています。「アオイガイ(葵貝)」という名前は、2つの殻を口が重なるように並べて置くと葵の葉に形がよく似ていることに由来しています。

アオイガイは日本近海には分布していないと考えられていますが、海中を漂いながら生活しているために、一部の個体が海流によって日本の沿岸にやってきます。やがて冬の冷たい海水に耐えられなくなり、力尽きて砂浜に漂着します。これを死滅回遊と言います。地域によっては毎年大量に漂着するため、冬の訪れを告げる風物詩となっています。

私がこの貝と初めて出会ったのは秋田県立博物館でした。今から18年前の冬、名も知らぬ海から遥か秋田の砂浜に流れ着いたその貝は、少年だった私の心を掴んで離さず、その後貝の研究に取り組む大きなきっかけとなりました。

そろそろ今年もアオイガイ漂着シーズンに入ります。ぜひ砂浜に行って、美しい貝たちとの素敵な出会いを楽しまれてみてはいかがでしょうか。

【アオイガイ】

   

水産大学校 研究科  安田 風眞

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