No.11 アラフラオオニシ
第11回目は、テングニシ科のアラフラオオニシです!
アラフラオオニシはその名の通り、オーストラリア北方に位置するアラフラ海に生息しています。そして本種は世界最大と名高き巻貝であり、大きいものでは殻高80 cmに達し、多毛類(ゴカイの仲間)を食べながら暮らしています。テングニシ科だけあってやはり軟体部は美味なようで、ホラガイやヤコウガイ等と同様に身は食用として、そして貝殻は観賞用や様々な加工品の材料として余すところなく愛される貝です。ちなみに英名はAustralian Trumpet(オーストラリアのトランペット)です。
本種の鑑賞ポイントは、殻頂から体層にかけての見事としか言いようのない膨らみと、バランスよく細長く引き締まった水管溝のコントラスト。そして肩の結節が成長につれて徐々に密になり、やがて途切れることのない滑らかで直線的なエッジを形成する様に、思わず指を這わせてしまいます。
しかし何よりも、やはり「世界一」という甘美な響きに得も言われぬ憧れを感じてしまうのが人の性というもの。巻貝の王様を傍らに、ロマンを浮かべたワイングラスを傾ける。そんなちょっとした贅沢で日々の暮らしに花を添えてみるのはいかがでしょうか。
ちなみに世界最大の二枚貝は言わずと知れたオオジャコ。なんと驚くべきことに、貝殻の問屋さんにはオオジャコの商品在庫もあるんだとか。すごいお店です…!
安田 風眞