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No. 67 エゾバイ科のヒメエゾボラ(姫蝦夷法螺)

  

第67回目は、エゾバイ科のヒメエゾボラ(姫蝦夷法螺)です!

 ヒメエゾボラは常磐〜北海道、日本海の潮間帯〜水深100mに分布する中型の巻貝で、海底に沈んだ魚の死骸等を食べる“海の掃除屋さん”を担う一種です。「青つぶ」の名で流通し、食卓で愛される貝でもあります。

 一般的に、貝殻の外観は北へ行くほど地味になると言われています。本種はまさにその代名詞といっても過言ではないほどに、一見すると華がない貝であるようにも思われます。・・・と、一瞥もくれないのはまだまだ愛が足りません。手に取ってじっくりと眺めれば、幾つもの鑑賞ポイントの存在に驚くはずです。最も目を惹くのは、なんといっても透明感のある濃い紫色で塗り固められた鮮やかな殻口でしょう。大きく開く殻口はバランス良く伸びる螺塔と見事に調和し、端正なアウトラインを形成します。均等に並ぶ肩の結節の存在は、単調な殻表に程よいアクセントをもたらし、飽きさせないデザイン性に大いに貢献します。そしてこれは個体差が激しく生じるものの、侵食が少ない個体ではクリーニングを施した殻表は意外にもマットな光沢を帯び、その劇的な豹変ぶりに思わずため息が漏れてしまうのです。

 一度この美しさに気がついてしまうと、もうこれまでの目で本種を流し見することはできなくなることでしょう。そして磯の岩陰に潜む本種にときめき、思わず手を伸ばしそうに・・・。しかしここは法治国家・日本。残念ながらヒメエゾボラをはじめ各種「つぶ貝」は漁業権で保護されており、一般人による採捕は固く禁じられています。食べてよし、眺めてよしの本種は是非スーパーの鮮魚コーナーにてお買い求めくださいませ。

2025.6.26

安田 風眞

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