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No.40 貝殻との付き合い方(捨て方のマナー編)

40回目は、貝殻との付き合い方(寂しくも、捨て方のマナー編))です!

突然ですが、今回はコレクションとの付き合い方について書きたいと思います。というのもこの冬に秋田県某海岸にてホシダカラ(しかもなかなかにキレイ)を発見し北限更新だ!!と大歓喜するも、手に取ると明らかに一部が人為的に加工された痕跡があり、砂浜に投棄されたものであることを悟り落胆したばかりなのです。多くの貝は生まれたばかりの頃はプランクトンとして海を漂い、海流に身を任せ生息域を拡大するチャンスを狙います。適正な分布域を出てしまった幼生は概ね環境に適応できず死んでしまうのですが、いくつかの条件が重なると、稀に着底・成長に成功します。

そのため、夏でも凍える秋田の海においても南国の貝・ホシダカラと出会える確率は0とは言い切れません。実際には一度貝殻を拾っただけで北限更新のエビデンスとすることは難しいのですが、産地の異なる貝殻を海岸へ投棄するということは学術的観点からは極めて危険な行為なのです。

海で生まれ育った貝を最後に海に帰してあげたいという気持ちは大変よくわかります。しかし残念ながら、一度陸揚げ・輸送してしまった貝殻の帰るべき場所はもうどこにもありません。譲り手が見つからない場合は最後の選択肢として、居住地の自治体の指示に従い処分することになります。標本としての価値がある場合は博物館が引き取ってくれることもありますので、一度相談してみるのもオススメです。


(殻頂部が削られています)


2023.3.30 安田 風眞

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